一般の保険料率は法律上の原則の率1000分の15.5に

令和4年12月27日開催の「第189回 労働政策審議会職業安定分科会」(分科会長・山川隆一東京大学大学院教授)及び12月19日開催の「第179回 労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会」(部会長・守島基博学習院大学経済学部経営学科教授、一橋大学名誉教授)では、厚生労働省から雇用保険の財政運営に関する説明や令和5年度の雇用保険料率には財政状況に照らし弾力条項の適用せずに、法律が定める原則の保険料率となる方針などが示された。

令和4年の雇用保険法改正により、雇用保険料率の法律上の本則(一般の事業)は、〈失業等給付分〉1000分の8(労使折半)、〈育児休業給付分〉1000分の4(労使折半)、〈雇用保険二事業分〉1000分の3.5(事業主負担)となった。しかしながら、令和4年度に限り、労使の負担感も踏まえた「激変緩和措置」として、一般の事業の〈失業等給付分〉の保険料率は、令和4年4月から9月までは1000分の2、令和4年10月から令和5年3月までは1000分の6となったため、一般の事業の合計の雇用保険料率は、令和4年4月から9月までは1000分の9.5、令和4年10月から令和5年3月までは1000分の13.5となっていた。

 労働保険徴収法には、財政状況に照らして一定の要件を満たす場合に〈失業等給付分〉の雇用保険料率について厚生労働大臣が変更することができる弾力条項(同法第12条第5項)及び〈雇用保険二事業分〉の雇用保険料率について厚生労働大臣が変更する弾力条項(同法第12条第8項)があるが、同省から、令和5年度については、財政状況(積立金や雇用安定残高が枯渇しているなど)から、適用すべき状況にはないことなどの説明があった。

 そして、令和5年度の雇用保険料率(一般の事業)は、法律上の本則である〈失業等給付分〉1000分の8(令和4年度下半期から1000分の2の引上げ)、〈育児休業給付分〉1000分の4、〈雇用保険二事業分〉1000分の3.5の合計「1000分の15.5」となる方針が示された。委員からは、「財政運営については審議会で丁寧な議論を」、「さらなる一般会計の投入などの検討を」など意見が相次いだが、令和5年度の〈失業等給付分〉の雇用保険料率を「1000分の8」とする方向性に異論はなかった。

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